27夜「小屋の力」仙波喜代子・今井今朝春

この本の小屋の定義範囲は広い。イナバ物置のような農業小屋も、屋台も、キャンピングカーも、週末極小住宅も、ツリーハウスも、バードハウス(鳥小屋)も、舟屋も、茶室も小屋である。小屋に力があるのは生活が見える建築、働く建築であることがこの本でよくわかる。

koya

26夜「日本の構造技術を変えた建築100選―戦後50余年の軌跡」日本建築構造技術者協会

この本を見ないと銀座の三愛がPC(プレキャストコンクリート)のハシリだとは知る由もなかった。ほかにも微細動を拒否したソニーの半導体工場建築とか、100N/mm2のコンクリを使ったマンションとか、知らなかったかつ技術的に興味深い、な建築が結構載っていて、既に見たことのある建築もその技術的な情報をふまえもう一度見に行きたくなる本。

sanai

25夜「ひらがな日本美術史」橋本治

この本を読めば確かに世界最古の木造建築法隆寺が出来た頃に周りとのコントラストはどうだったのかが非常に気になる。掘建て小屋になる前の建築が人の住まいとして並んでいる中に心柱という技術が用いられた建築がたっている姿はどのような物だったのか、現存する最古なのでそこに至るまでにどのような技術発展がなされそこに至ったのかすべては想像であるが、その想像をしたくなるようにしむけられて本である。

この本は全くを持って法隆寺の本ではない。康慶の作である伝行賀はどんな背景でこのような写実的な仏像が生まれたのかを解説していたり、読む物の好奇心を刺激する読み物になっていて面白い。

dejgyou

24夜「新宿」森山大道

これは自炊するのが似合う本。この本を自炊化により一気にスキャニングするように読みその後新宿に向かうってことをすれば大道っぽい写真が気がつけば出来上がっていると思う。「大阪」のほうはだいたい場所が分かるけど、新宿の方はまだ分からない場所が多い。下記の場所はどこですか・偉い人教えてください。

moriyama

23夜「Digital Fabrications」Lisa Iwamoto

このての造形はさらに2種類に分けることが出来ると思う。1つは小口造形。切り口が並んでいる造形のこと。もう一つはワイヤーフレーム造形。いわゆるCGのワイヤーフレームでワイヤーフレームは線だけどその線に情報が付け加えられている形状。

この本を見てよく解るのはこのての造形には本当にコンピューターで作られていること。3次曲線の物を作るところまでは今は自動化できてるのかもしれない。ただそれを並べるところはまだ人間だと思う。そこの解決が出来ればもっと訳の解らないことが出来る気はする。

digi

22夜「水木しげるの妖怪事典」水木しげる

この本を見ているとゲゲゲの女房をおもいだす。資料をしっかりと集める水木しげると、ひたすら点描画を続ける柄本明の息子。事典と名乗るだけの資料の集積結果と、絵におどろおどろしさを出すためのエッジングのような書き込み。その両方がしっかり伝わってくる。

gegege

21夜「構造用教材」日本建築学会

建築の構造がどのようになっているかアイソメ図で書かれてある本。学生の学習用の本であるが、これが解れば建築士試験も大丈夫だし、矩計図もかけるようになる。木造から、鉄骨、RC、門からコンセントまでアイソメで書かれてあり、また編集コンセプトが「文章説明は原則なし」「簡単に図示できる物は掲載しない」と明確なため、非常に密度の濃い本に仕上がっている。

kouzo

 

20夜「Mathematical Excursions to the World’s Great Buildings」Alexander J. Hahn

建築の中にある数学を読み解いた本。良書。平面立面的な幾何学の解説もあれば、アーチの力学的説明もある。平面上にもしくは半ば強引に断面に丸三角四角が並び幾何学だといっている建築とは違い、もっと思慮の多い建築は古代よりあることがよくわかる本。

math

19夜「Written in the West」Wim Wenders

「パリ、テキサス」というお気に入り映画のロケハン時に撮影された写真の写真集。アメリカの乾いたロードサイドの空気がよく移ってる。よく空気感っていうけど、空気の湿度って写真に写ります。湿度が上がると光の屈折率がかわるから。

アメリカのロードサイドってビンテージ感のある物が残ってるイメージが確かにある。幹線道路沿いはチェーン店で毒されているから、正平ちゃんの「こころの旅」でもチェーン店映らない努力をしてコースを選んでいる気がします。それと同じようなロケハンの結果の写真集。

wim

18夜「死ぬまでに見たい名建築家のドローイング300」ニール・ビンガム

建築家のドローイング集。プレゼンテーションやコンペのためというよりは建築家自身のために残しておくための装飾的なドローイング集な感じ。

1点のみではあるがCG(photoshopコラージュ?)も載っている。建築の発表の仕方として、図面、建築がどのような物であるかのシミュレーションのためのCG、模型、そして、建築家自身のために残しておくための装飾的なコンセプトを示すドローイングがあればいい気がする。コンペ用とかマンション用のパース的なCGが一番いらないという自分の気持ちをこの本で再確認。コンペとかは特に図面を読める人が審査するのだからシミュレーション的なCGでバイアス無くコンペ審査してほしい。バイアスのかかったCGが建築には一番いらない。

yuri